マンガに恋する女の ゆるゆるライフ

明け方に止む雨 (キャラコミックス) 草間 さかえ 徳間書店 2013-10-25 売り上げランキング : Amazonで詳しく見る by G-Tools

～ストーリー～
真実は明かされる時、
戻れない恋に堕ちている──
兄への恋煩いで自殺した青年の足跡を、当の兄と追うことになってしまった刑事。
隣人の吸う奇妙な煙草との香りから、疑心の迷路に囚われていく裁判所事務官。
町外れに住む孤独な絵描きと、祖父の残した秘密の絵に魅入られる青年。
知ったが最後、引き返せない──隠された謎が恋を呼ぶ、スリリングな3つの恋愛譚。
決して暴いてはいけない、禁断の恋。
（コミックス帯および裏表紙より引用）

「そのバラ…うちのですか
　す、すみません、こっちから切っておきます」
「あ、待って。もう少しで咲きそうだから」
ベランダ伝いから始まる裁判所事務官と飲食業の恋、そして
「最初からあなたのこと好きなんで
　見合いはしないで下さい」
事件から始まる刑事と裁判所事務官上司の恋と。
この本も草間先生の他作品とたがわず
一度ならず二度三度読み返してようやくムードや情緒を味わうことができます。
（以下、BLネタバレ感想です）



水商売風な外見だけど実は爽やかで好印象な隣人の高天が
大麻らしき煙草を吸っているかもしれない…
疑心と罪悪感の葛藤に苛まれる裁判所事務官の山田は
疑惑が晴れた高天に疑いの目を向けた事を泣きながら謝り、
そして二人の恋が始まる情緒あるエピソード。
高天が山田に惹かれたきっかけが
「夜ベランダに出てくるとよく山田さんが歌を…
　『ノラえもん』とかイントロから始めて
　最後まで全部歌ってて…」
こういうちょっと笑ってしまう締め方は草間先生らしく感じます。

1話目にも登場している山田の上司・里村が2話目の主役。
てっきり山田の事を好いているのかと思ってましたがノンケで残念。
しかし弟の自殺＆弟がゲイであったことにWショックを受け
結城刑事とともに自殺の原因を探していくうちに
自分への恋慕が原因で自殺したと信じたくない里村は
男同士の肉体関係は大したことではない筈だと結城を誘い…。
里村「く、…ま」
結城「熊？」
ノンケの里村が辛そうにしながら結城と関係を結んでいる最中にも
ちょっと笑ってしまう一コマが何気に楽しい。
そしてカバー下の描き下ろし漫画では
「（結城と）今は付き合ってる。なぜか。なぜだ。
　だけど男同士なんてのは本当に下品だし
　無茶苦茶されるしいいことないぞ」
「里村さんが買ってきた中では
　普通っぽいのしか使ってません」
自問自答している里村と
里村にオモチャを渡されたらしい高天の会話が面白い。
普通っぽいのしか、ということはアブノーマルなものも渡してるって事ですね(´∀`)


　　　

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