~ストーリー~
ここは不思議が湧く泉。
嫌われ者・弥七と、箱入りお坊ちゃん・敬。
正反対の二人は言い伝えの謎を解くうち、友情を深めていき…
東京から山がちな村へとやってきた敬は、
田舎ならではの迷信や風習に目を輝かせる。
敬の心をひときわ惹き付けた不思議な少年・弥七は
周囲に馴染まず、孤独をまとっていた。
彼はもしかして化け狐?それとも天狗…?
静養中の母親や、噂好きな村人たち、
大切な真実は誰も教えてくれない…。
時は昭和のはじめ
少年は村に伝わる迷信を解き明かす
(コミックス帯および裏表紙より引用)
(C)Sakae Kusama 2013「僕も弥七もみんなと同じなのに。
お化けなんかじゃないのに」村人から忌み嫌われる弥七の境遇にちょっぴり切なくなるものの
主人公の敬坊ちゃんが大変イイ子で心ホンワカする一冊。
草間先生の世界観は少し独特な物があってたまに読み解くのが難しく
この作品も謎解きミステリー?か予想し斜に構えて読み始めましたが
謎解きなどではなく
偏見の目で見られる弥七を敬が周囲に馴染ませていくホッコリ物語で
思いのほか読みやすかった印象です。
木から落ちた敬を助けた弥七に対して
「天狗なら飛べるし狐ならくるっとできるし
それに悪い子なら助けてくれないよ」「…うるせえ
」非BL作品ながらも草間先生らしいショタBLをほのかに感じる所もにわかに萌える。
弥七のデレ顔が大変可愛い(*´∀`)(非BL作品。以下、ネタバレ感想です)
弥七が噂されているような狐でも天狗でもない事を知ってから
弥七と遊びたがる敬を最初は敬遠していたものの、
木登りが出来る様になった敬へススキで作った狐人形をこっそりプレゼントした事をきっかけに
二人は山の中でこっそり遊ぶようになっていき
山の果実の美味しさ、花の意味、野鳥への優しさ、軽い冗談、生活の知恵などなど
敬は弥七から様々な事を学んでいく物語。
「天気雨って狐の嫁入りって言うんだよね」ポツリと降り出した雨の中、彼岸花を弥七の髪に飾りながら
こう発する敬の情緒あふれるというのかな、ムード作りがまた男前。
また、病気の母親のために毎日お花を摘んできたり
お花を摘みに行けない時は雪で雪うさぎを作って渡したり
料理下手なお手伝いさんの美春さんを励ましたり
敬は大人になったらイイ男になると確信
「友達の弥七です。
キツネでも天狗でもありません」不良に絡まれていた弥七を救った敬は自宅の母に弥七を紹介しに。
幼い頃から外国の子供と遊んだ経験のある敬の母親は
弥七が普通の人間で、外国の血が入っていると把握し
忌み嫌うどころか、敬の良き友人である事に感謝して。
このあたりからは弥七の存在が報われ始め、
そして弥七のいる寺で村人が集まる花祭りが催されて
心地良いラストを迎えることが出来た印象。
迷信によって切り離されていた弥七と村人たちが、
花祭りで子供を参列させると幸せになる言い伝え(迷信)で
弥七と村人をも繋げた、そんな物語で心温まる読了感です。
途中、狐の嫁入り話だったり、はたまた弥七が天狗の陰間という噂などなど
前述したようにちょっぴりBLを感じる部分もありましたので
敬が少し大きくなった数年後の設定でまた弥七との物語を見てみたいものです。
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