マンガに恋する女の ゆるゆるライフ

新装版　バス停留所 (花音コミックス) 鳥人ヒロミ 芳文社 2011-03-29 売り上げランキング : Amazonで詳しく見る by G-Tools

～ストーリー～
陸上とひとりの先輩に賭ける青春
陸上短距離選手の安孫子武は、バス停で 出会った先輩藤本崇幸に一目惚れした。
きれいな顔に似合わず口の悪い藤本は、故障のため選手生命を絶たれていた。
まっすぐ気持ちを伝える安孫子に対し、プライドが邪魔して素直になれない藤本。
そんな状況を抜け出そうと、安孫子は「男」を賭けたある勝負を迫ったが!?
残酷なほど美しい青春と挫折――
BL界の金字塔が短編再編集＆描き下ろし収録で鮮やかに復活。
（コミックス裏表紙より引用）

鳥人先生の作品は『彩おとこ』以来、久々に読ませてもらいましたが
十数年前の作品であるこの『バス停留所』を今読んでも
画の古さなど全く感じることなく違和感なしで読むことができました。

2ページ目（汗の滴る藤本の首筋を舐めるように背後からゴクリと見つめる安孫子の図）の
台詞の無いコマ割りのみの表現で一気に物語に惹きこませ、
ここから数ページ後の見開きページ（藤本の裸に剥いた姿を妄想する安孫子の独りよがり）を
再び台詞なしの画オンリーで魅せる。
まるで動画を見ているかのような感覚になります。
（以下、BLネタバレ感想です）
　↓
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バス車内で強引にキスしてきた安孫子を藤本は意識するようになり
あれよあれよと二人はデキるわけですが
ツンデレ藤本の挑発する顔が色気むんむん！

スプリント勝負で勝ったほうが男役・負けたほうが女役になる、という
『男の約束』で見事二人は一線越えをしたものの
なかなか2回目が出来ずにいた安孫子は・・・
安孫子「一日一回セッ●スさせてくれるとか」
藤本「できるかっ!!」
安孫子「口でもいいよ。アレなんだっけ？フェ・フェ～～～」
藤本「やめろってのバカッ!!」
安孫子「じゃあ好きって言って～～～❤」
藤本「絶対言わん!!」
安孫子「もォー意地っぱりなんだから❤そこがかわいいんだけどさ」
藤本「かわいいとか言うな!!後輩に言われると余計ムカつく!!」
なんですかこの夫婦漫才（笑）

陸上競技会で他校生徒からの挑戦を受けた藤本は
「オマエ（安孫子）が勝ったら『男の約束』してやる」
男の約束＝合体、というエサにホイホイ釣られちゃう安孫子くんも安孫子くん。
うん、はい、まあ、健全な男子高校生ですものね。

その後、喧嘩⇒安孫子が他校にスカウトされて転校する話が出て・・・
「…オレ、センパイが頭下げて引きとめるんなら（転校するのを）やめてもいいけど。
　──できるわけねーよな、あんがた。後輩に頭下げるなんてさ…」
おいおい安孫子よ、いつの間に傲慢になったんだ。
以降は部活をサボりまくるは、タバコは吸うは、彼女を作るは（ダミー？？）、
藤本が他の生徒と仲良くしているのを見て不機嫌になって藤本を押し倒して無理やり…
などなど、安孫子のヤサグレ具合がなかなか酷い…。

藤本も藤本で安孫子のトラウマに触れて怒りを買ったりもしましたが
自分が挫折した夢を安孫子の才能にかけてサポートしたい気持ち、
安孫子のことを好きだけど素直に伝えられない不器用な想い、
女役を担う藤本の男としてのプライドなど、
色々なモノが混じり合って、ぜんぜんうまくいかず。

そんなこんなで、物語後半部分からだいぶん陰鬱モードに突入しますが
（雰囲気的には『成層圏の灯』に類似するような陰鬱ムード←内容が似ているわけではなく）
ラストは無事ハッピーエンド。
付き合い始めた当初は、
自転車をこぐ安孫子の背中に藤本が愛しそうにもたれかかる画にホッコリし、
ラストでは逆に、自転車をこぐ藤本の背中にもたれながら
安孫子が藤本の愛をかみしめているだろう姿がとてもイイ感じでした。

描き下ろしでは、眼鏡プレイ話（笑）
キスする時は眼鏡が邪魔？ということで安孫子が藤本のメガネを外したものの・・・
藤本「…チューしねえの？」
安孫子「先輩からしてよ」
なんでしょうこの安孫子のラブラブ駆け引きは（〃▽〃）
それもさることながら、藤本のチュー催促が可愛いラストでした♪

彩おとこ ＃５（鳥人ヒロミ）…感想記事はコチラ

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